積木

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テレビで積木崩しの真相という番組をやっている。
あのドラマからもう23年経ったという。

私は昭和44年生まれ。
校内暴力の末期の頃が、ちょうど中学進学の時期に重なる。

小学3年の時から受験勉強を始めた。
5時から9時ごろまで塾へ行き、
食事をしたら家庭教師に教えてもらい、家庭教師が帰ると、父と勉強した。

同級生はガンダムだの、ベストテンなどのテレビの話をしていたが、
テレビをほとんど見ることが無かったので会話についていけなかった。
プラモデルなどのおもちゃも全て禁止で取り上げられた。

近くの公立中学は荒れていて、いじめられっこがおしっこを飲まされたとか、
裸で公園の木に縛り付けられていたとか、暴走族がどうしたと言う話もよく聞いた。

受験を父が望んだことだったし、言われるままに従っていた。

今考えれば、私のようにぼっーとしている人間では、
公立でいじめられると思ったのだろう。
元々理科系の技術者であった父からしたら、同じ道を歩いて欲しい。
出来なかった夢を継いで欲しいという部分もあったと思う。

ともあれ父の希望通り、受験を目指した。
塾では頭に鉢巻きを巻いて、「中学に受かれば・・」と言われ続けた。

第一希望の明大中野は落ちたが、第二希望の玉川学園には合格した。

父は東京理科大学出身。
玉川学園程度の私に我慢がならなかったのだろう。
中学に入ってからも、事あるごとに責められた。
当時8つ上の姉は大学にも行き、ミス東京のコンテストにも出て自慢の娘。
比べるなと言うのが無理なのだろう。
ましてや、会ったことの無い異母兄弟は当時既に脳外科の医師になっていた。

つまり、サラブレッドの家に生まれた駄馬と言うわけだ。

ぐれる度胸もなく、食事が終わると1人部屋に戻り勉強。
テレビも見ず、音楽も聴かず勉強。
その甲斐あってクラスではトップ、学期末が来るたびに表彰された。
もっとも家で誉められることも無かったが・・。

いまだによく覚えているが、中学の社会科見学でバスに乗った際、
みんなで当時の歌を歌ったのだが、皆が歌う歌を知らず、黙り込んでいた。

当然クラスの中で浮いた存在だし、先輩にも目をつけられる。

ロッカールームで先輩5人に袋叩きにあい、ワイシャツを真っ赤に染めたこともあった。
父に相談したこともあり、「なんとかしてやる」と言われたが、
父が行動を起こした事は無かった。
結局、その5人は1人ずつ自分で袋叩きにした。

その時に「あぁ、家族といえども要求を満たさなければ、希望は与えてもらえない」
と実感した。

高校にあがっても、生活は変わらなかったが、
社会人になった姉が広い世間を知り、父に反発し始めた。

父は家庭内に責める相手を必要とする人間だったので、
姉と私の立場は逆転。

今度は姉が責められ、私が誉められた。

姉の恋愛は父がことごとく潰し、姉は勝手に独立。
父と母が癌を発病。

姉の居場所もわからぬまま、父の田舎に引っ越したが、
半年後「一銭もいらないから東京へ帰る」と言い、
東京で新聞配達をして、1人暮らしを始めた。

いまでも覚えている。
2月の16日。九州の駅で東京に向かうブルートレインに乗り、父に見送られた。
さすがに感傷的になったのか、父が泣いていたが、
「いまさら・・なにを・・・」と思ったものだ。
それが私と父の別れ、以後16年間会っていない。
もう会うことも無いだろう。

父と家族に泣かされ続けた母も他界した。
家族で食事をする機会はもうなくなった。

父は現在78。
親族から近年の写真を見たこともあるが、年老いて別人だった。

今は健康らしいが、癌を患い妻に先立たれ、
金に群がっていた連中にも去られ、今はひとり。
病院には誰も見舞いに来なかったと言う。
ただ世間体を気にする父は「娘息子は立派にやっている」と言っているそうだ。


姉も最近連絡を取るようになっているが、会いたくはないという。

我が家の積木はものの見事に崩れたと言うわけだ。

私の生まれた時、父は42、母は36。
そういえば私は年末に36だ・・。
どんな気持ちでわしを見ていたのだろうか。
両親に対して今はとても感謝している。
丈夫な体に産んでもらい、教育を与えられた。

20代の頃、3年間バイトしていたバイト先の奥さんに、
「あなたは家族や愛情に飢えている。」と言われ、取り乱したことがあった。

あれから十数年たち、自分なりに生きてきて、
欲しいものに手をかけたこともあったが・・。
因果応報とはこのことかもしれない。

どうやら我が家の人間は積木を積むには、不器用すぎるらしい。

しかし、ドラマで思わぬことを思い出した。
幾分胸が詰まり、気分が重い。

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